写真の唄

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ふるさとのはなしをしよう






















せっちゃんは小さな食堂を営んでいた。
前回と変わっていたのはハイヒールが真新しいスニーカーに変わっていたことくらい。
初めてお会いした時はクラブのママだったから随分と月日がたった再会だ。

スープを作るのは大変なのでは?と思うのだが、鹿児島の食堂は大抵どこもラーメンをメニューに載せている。
わざわざラーメン専門店まで出かけて行かなくても近所の食堂で美味しいラーメンを食べることが出来る。
行列を作らなくてもいつでもどこでも美味しく食べることが出来るもっともポピュラーな食べ物がラーメン。
もちろん醤油でもなければ塩でも味噌でもないトンコツスープ。少しの刻んだネギとチャーシューだけでいい。
普通の食堂の普通のラーメン。これが僕の好きな鹿児島ラーメンの味。
せっちゃんのお店もそんなお店だった。


何やら両手に抱えて登場してきたのは常連客という名のおじさん。
みんなに自慢のコーヒーを振舞うために電動コーヒーミルと焙煎豆を持って店にやって来た。
昔読んだ獅子文六 の『可否道』。コーヒーは旨いかまずいかしかない。だから『可否道』。と書いてあった。
若いカップルが定食の注文だけで1時間も2時間も長居できるアットホームな小さな食堂で、
珈琲好きのおじさんが丁寧に煎れる美味しいネルドリップ珈琲で会話が弾む。

加えて賑やかなのが、さっきからひっきりなしに鳴っている出前の電話。
少し難儀そうな受け答え。ハスキーな声はこういう時にぴったりだ。正直な性格に笑った。
交番のおまわりさんから出前の注文、カツ丼かと思ったら唐揚げ定食。
カメラ持ってお手伝いと称して同行したかったが客人だからという理由で娘さんにあっさり断られた。


せっちゃんと仲間達の小さな食堂は珈琲の香りに包まれ愛に溢れていた。




























♪ 北原謙二 - ふるさとのはなしをしよう






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